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FAB 3D CONTEST 2022
審査結果報告

 ファブの技術と新しい素材でつくる、これからの暮らし方

最優秀賞

がちゃがちゃ × 植物栽培から始まるFAB LIFE

チーム部門 チーム名:  ポチ 

優秀賞

個人部門

優しいルアー作り

 小野 侑誠 さん ​

チーム部門

おもいでぽっぽ〜いっしょうの宝を載せた私だけの思い出列車〜

チーム名: ぽっぽ

特別賞

個人部門

100個貯まるキャップ貯金箱

 野呂瀬 大賀 さん

チーム部門 

ピクトくらす 〜今にも動き出しそう!?〜

チーム名: asutama

FAB LIFE賞 

お花屋さん × 3Dプリンター × 人工知能でつくるFAB LIFE

中山 成史 さん

スポンサー奨励作品

 

マテリアル賞

三菱ケミカル株式会社

アリ杭

矢島 光乃祐 さん

家族賞

株式会社グッデイ

NET for plants

チーム名: Hihatsuba

最優秀賞
 

最優秀賞_がちゃがちゃx植物栽培から始まるFABLIFE.png

がちゃがちゃ × 植物栽培から始まるFAB LIFE

チーム名:  ポチ 

高校3年

中山 成史さん村松 嵩太さん 

講 評 

 見た目だけでなく、土に分解されやすく排水機能も兼ねる構造を試作を繰り返し、作り手の想いがユーザへ伝わる高い完成度を実現できています。また3Dプリント造形段階で予想外の状況に陥った時にも諦めることなく粘り強く取り組み、期限までに克服できている点もモノづくりにおいてとても大切な体験ができていると思います。既販品との比較を行いアイデアや独創性の違いを確認するプロセスは、モノをつくるモチベーションの維持向上につながる良い取り組みであり他者にも参考になっていくでしょう。ドキュメンテーションも着眼から作品完成までのプロセスや試行錯誤、拘り、つくる楽しさが伝わってる高い完成度となっており、作品のみならずFabbleを見た他者にとってもFAB LIFEを「知る」、「興味を持つ」、「考える」キッカケ(機会)を作ることができる素晴らしい作品です。

優秀賞個人_優しいルアー作り.jpeg

優しいルアー作り

高校3年

小野 侑誠 さん

講 評 

 海洋ゴミという環境問題をきっかけにした取り組みですが、釣具であるルアーとしての性能向上も目指し、改良を重ねて釣果の実績までしっかり出しているところが素晴らしかったと思います。

 今後、ファブならではの、現存しない独創的な釣具の開発など期待しています。

優秀賞
個人部門

 

優秀賞チーム_おもいでぽっぽ.jpeg

おもいでぽっぽ

〜一生の宝を乗せた私だけの思い出列車〜

チーム名:  ぽっぽ

高校2年  関 春奈さん

高校1年  谷川 いち佳さん

               蓑毛 莉々子さん

講 評 

 「FAB LIFE」という大きなテーマから、おもちゃに着目し、しっかりと掘り下げた作品になっていました。とくに、素材を活かして壊れたら土にかえすことができるという特徴は、資源循環の観点だけでなく、おもちゃとのお別れを印象的に演出し、持ち主の記憶に残る仕掛けという点でも素晴らしいと思いました。

 ドキュメンテーションは、きっかけ・アイデア出しから完成までのプロセスが詳細に記録され、とても優れています。

 アイデアを単にかたちにするだけでなく、前後に、アンケート調査、SDGsとの関連性を整理、安全性への配慮、お子さまに実際に使ってもらうなど、このFabbleを見た他者にとっても非常に参考になる内容でした。

 今回の取組みによって自分たちが身に付けたスキルを客観的に評価することができており、皆さんのチームが制作を通じて成長した様子がわかりました。

チーム部門
 

特別賞_100個貯まるキャップ貯金箱.png

100個貯まるキャップ貯金箱

高校1年

野呂瀬 大賀 さん

講 評 

 なぜかリサイクルの収集箱はダサいですよね!捨てることがちょっとだけ楽しくなるようなアイデア、リサイクルを促進するためにも素晴らしいことだと思います。丸くて可愛らしいデザインも、回収箱のイメージを覆し、コインを貯めていくような満足感があります。また100個入るかの検証も重要なステップだと思いました。もしかしたら、他の人に意見を聞くことで、もっとカワイイものになるかもしれません。ぜひ、今後は一度他の人にも使ってもらって、作品を改善するプロセスを入れてみるのはいかがでしょうか。さらにアイデアが良くなっていくと期待しています。

特別賞
個人部門

 

特別賞チーム_ピクトくらす.jpeg

ピクトくらす 〜今にも動き出しそう!?〜

チーム名:  asutama

高校1年

川端 飛鳥さん、入江 環さん

講 評 

 不便なことをどう改善していくか考えるのはしんどいですよね。でも日常をうるおす楽しいことの中に、ちょっとだけ便利な何かを足していく、そんなアプローチなら楽しく取り組めると感じました。自分の生活を支えるために、ひっそりと小人(ピクト)さんが活躍していると思うとちょっとほっこりします。小物としての質感や造形の完成度を高めると、さらに楽しくなると思いました。3Dプリントは面倒なことが多いですが、トライ&エラーを繰り返しながら使いこなして、新しいツールや可能性として活用していくことを期待しています。

チーム部門
 

FAB LIFE賞
 

FABLIFE賞_お花屋さんx3Dプリンターx人工知能でつくるFABLIFE.jpeg

お花屋さん × 3Dプリンター × 人工知能でつくる

FAB LIFE

高校3年

中山 成史 さん

講 評 

 この作品を初めて読ませてもらった時に、今回のFAB LIFEというテーマに非常にマッチしていると感じました。実際に自分の住む街をモデルにして取り掛かり、自分の目線で課題を抽出し、仮説を立てたアプローチが良かったと思います。そこに自分の経験から花束にフォーカスを当てたことで、魅力的なプロダクトになっていったと感じました。3Dプリンタによるプロトタイピングの試行錯誤も、実際に作ってみたからこそ得られる気付きをしっかり受け止め、改善し続けていきました。プロトタイピングしたものを周りの人に、サービスを花屋さんに聞いてもらいながら他の人の気付きも取り入れていくことで、アイデアの幅が広がっていっただけでなく、完成度という高さも出ていったと思います。今回の取り組みは、「街中に人々を滞在させるには」という社会実験に対する大きな第一歩だったと思います。今後、花屋さんで実際に実験してみることで新たな気付きが得られると思います。これからもチャレンジし続けていくことに期待しています。

マテリアル賞_アリ杭.jpeg

アリ杭

小学6年

矢島 光乃祐 さん

講 評 

 キャンプ場ではペグが落ちていることがあり、『アリ杭』は生分解性を活かせる用途としてうまく考えられていたと思います。また、自分好みのオリジナル杭が作れるとより楽しくキャンプ設営ができそうですね。

 単なる飾りとしてではなく造形の方向で強度が改善することが検討されている点も、3DPの使いこなしという観点で素晴らしかったです。強度を保ちながらインフィル含めた軽量化デザインの最適化まで結論付けられていたら完璧でしたね。今後の制作も期待しております。

スポンサー奨励作品

マテリアル賞
三菱ケミカル株式会社

家族賞_NETforPlants.jpeg

NET for plants

チーム名:  Hihatsuba

円谷 遥輝さん 小学3年 他

講 評 

 今回の作品は、グリーンと3Dプリンタという意外な組み合わせに注目した素晴らしいアイデアでした。

 グッデイは現在、グリーンがもたらす癒しの効果に注目した新規事業を展開しています。そうした観点からも、「NET for plants」でのアイデアや着眼点はとても興味深く拝見しました。

 九州北部で64店舗のホームセンターを運営している私たちの会社の理念は、「家族でつくるいい一日」としております。そうした観点からも、家族でコンテストに挑まれる姿に、大変共感しました。

 ますますのご活躍を祈念しております。

家族賞
株式会社グッデイ
 

​​審査委員長総評

 

 ファブ技術(3Dプリンタ)を使って、新素材(植物からつくるバイオプラスチックや生分解性プラスチック)の可能性を引き出すことをテーマとして、今年で2年目になる。
 

 現在の世の中では、さまざまなサスティナブル素材が登場しているが、その使い道を考える段になると、急に現在の「石油由来プラスチック」の単なる置き換えの発想になってしまい、そこから前に進めなくなっている例が多い。そうではなく、素材の特徴を吟味し、単なる置き換えではない、サスティナブル材ならではの新プロダクトを発想するとしたら、3Dプリンタを道具としてプロトタイプすることが有効ではないか。そして、視点として「LIFE(生活)」を中心に考えることで、モノとコトとがつながっていき、人間中心の循環型社会をつくりあげる起点になりうるのではないか。そのような思いをもって企画し、募集した。
 

 この期待に、小中学生・高校生らは十分すぎるほどに応えてくれている。いま、日本の学校に3Dプリンタが導入される際に、素材に気を付ける事例も増えてくる兆しがある(小学校で使用されたプラスチック製のアサガオの鉢を回収し、3Dプリンタ用のフィラメントに加工して、中学校の3Dプリンタ教育に用いている鎌倉市の例など)。こうした流れが今後ますます全国に広がっていくことを期待したい。
 

 むしろこれから気を付けなくてはいけないことは、「3Dプリンタ」が可能性を限定する道具にならないように、イメージを常に更新していくことだろう。3Dプリンタで「ものの最終形」をつくるだけではなく、3Dプリンタで構成した「支持体」に他の天然素材を組み合わせることによって、環境や自然を栽培し、再生(リ・ジェネレーション)していくような方向性がこれからの大きな可能性になるのではないかと考えている。まるで「料理」のように、素材と素材を組み合わせ、3Dプリンタと手仕事を組み合わせ、土地ごと、地域ごとに多様なアウトプットがこれからも生まれてくることを、期待したい。

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田中浩也

ファブ3Dコンテスト 実行委員長・審査委員長

慶應義塾大学 SFC研究所 ファブ地球社会コンソーシアム 代表理事
慶應義塾大学環境情報学部教授、慶應義塾大学SFC研究所ソーシャルファブリケーションラボ代表。博士(工学)。デザインエンジニア/ソーシャルエンジニア。専門分野は、デジタルファブリケーション、3D設計/生産/製造システム、創造性の科学と文化およびその支援。モットーは「技術と社会の両面から研究すること」

審査委員長総評
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